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副業などによる複数の収入がある場合の所得の種類

ただいま、2025年の確定申告真っ只中ですが、副業による収入、暗号資産の譲渡益、セドリビジネスで稼得した利益などについて、確定申告が必要かという質問が数多く寄せられています。

昨今のご時世では、企業の所属されている会社員などの方にも、副業が認められる企業が増え、本業とは別に収入を得る人やメルカリなどで不要となった品を手軽に売買することで収入を得る人が増えてきていると思います。また、オリパなどで、セドリビジネスを行っている方もいらっしゃると思います。

これらの収入は、給与所得のほか、事業所得や雑所得などに該当するケースが考えられます。

今回は、収入が複数ある場合の所得についてまとめてみました。

「所得」とは何か

所得には、10個の種類があります。

事業所得・不動産所得・利子所得・配当所得・給与所得・雑所得・譲渡所得・一時所得・山林所得・退職所得 です。

それぞれの「所得」によって計算方法は異なりますが、各個人が1月から12月の1年間の暦年で得た収入に対して、必要経費などを差し引いた金額が「所得」です。

※「所得」によっては〔収入金額=所得金額〕となる場合もあります。

「確定申告」とは、この「所得」を計算し、「所得」に対する「所得税」を算出し、所得控除や税額控除などを適用し、最終的に所得税を求める作業となります。 

給与としての収入が複数ある場合

給与としての収入は給与所得になります。

1ヶ所のみから給与としての収入を得ている場合は、年末の時期に給与の支給先で年末調整をしてもらい、「源泉徴収票」を受け取ることで完結できます。大半の給与所得者の方は、自動的に納税関係が終了するので、楽な反面、納税している言う意識はあまりないかと思われます。

※給与の支給先で、住民税を特別徴収(給与支給時に天引き)していなければ、ご自身が住民登録をされている自治体へ申告書の提出が必要となります。

2ヶ所以上から給与としての収入を得ている場合は、それぞれの給与の支給先で「源泉徴収票」を受け取り、それらを合算して「所得金額」を算出します。

※年末調整をできるのは、主に勤務されている1ヶ所のみとなりますので、2ヶ所以上で給与としての収入を得ている場合は、収入金額を合算し、改めて「所得金額」を算出します。

給与としての収入と、事業としての収入、または不動産としての収入がある場合

給与としての収入は、給与所得

事業としての収入は、事業所得

不動産としての収入は、不動産所得となります。

事業としての収入(事業所得)や不動産としての収入(不動産所得)は、それぞれの収入に対して経費としての費用を差し引き、所得を算出します。

どこから、事業所得なのか、不動産所得なのかという、反復継続的な取引であるか、金額的な大きさである定量な部分などの論点はあり、収入300万円というところも一つの目安とする考え方もあります。

収入300万円基準

不動産所得における5棟・10室基準

※青色申告者(「青色申告承認申請書」を提出している方)は、『青色申告決算書』、白色申告者(「青色申告承認申請書」を提出していない方など)は、『収支内訳書』を作成して、所得金額を算出します。

[給与所得]と[事業所得]又は[不動産所得]をそれぞれ算出し、算出した「所得金額」を合算して、最終的な「所得金額」を算出します。

給与としての収入と、雑所得がある場合

給与としての収入(給与所得)は、上記で記載した通りになります。

[雑所得]とは、他の9つの所得に当てはまらない所得のことで、「公的年金などの雑所得」と「業務に関わる雑所得」「その他の雑所得」があります。

このうち「業務に関わる雑所得」が、原稿料や講演料、シェアリングエコノミー、フリマアプリなどでの収入など、事業としての収入ではない副業の収入が当てはまります。

「その他の雑所得」は、[雑所得]のなかでも、「公的年金などの雑所得」と「業務に関わる雑所得」に当てはまらない所得で、FXや仮想通貨取引での利益、非営業用貸金の利子などがあります。

「所得金額」の計算方法は、収入金額から必要経費を差し引いた金額が[雑所得]の「所得金額」となります。

[給与所得]と[雑所得]をそれぞれ算出し、算出した「所得金額」を合算して、最終的な「所得金額」を算出します。

給与としての収入と、一時所得としての収入がある場合

一時所得とは、臨時・偶発的なもので対価性のない所得のことで、「賞金や懸賞当せん金、競馬や競輪の払戻金」や「生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金」「ふるさと納税の返礼品」などがあります。

一時所得は、雑所得や事業所得とは異なり、継続的な収入ではなく、一時的な収入があった場合に計上する所得になります。

一時所得の計算方法は、総収入金額から、収入を得るために支出した金額と、特別控除額(最高50万円)を引いた金額が「所得金額」となります 

給与所得と一時所得をそれぞれ算出し、算出した「所得金額」を合算して、最終的な「所得金額」を算出します。

なお、寄附金控除として広く活用されている「ふるさと納税の返礼品」については、時価が特別控除額の50万円を超える物品などを受け取った場合には、課税取引となるため、寄附金に対する還元率が30%(150万円×30%=51万円)とすると、寄附金額は150万円程度が非課税の目安となります。

給与所得が1億円を超える方や株式の譲渡所得が多額に発生した方などは、計算上は、寄付金額は150万円を超えて可能な方が、仮に1,000万円のふるさと納税をした場合には、時価と50万円の差額が課税となります。

雑所得が20万円未満の場合は確定申告が不要

(省略)給与所得者であっても次のいずれかに当てはまる人は、確定申告をしなければなりません。   (省略) 2 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人   3 給与を2か所以上から受けていて、かつ、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える人 (省略)

(国税庁HPより抜粋)

「雑所得が20万円未満の場合は、確定申告が不要」とされているのは、この為です。

給与所得の人が副業などにより収入を得た場合、その副業の「所得金額」の合計が20万円を越えなければ、確定申告は不要となります。 

ただし、住民税の申告は、所得が1円以上ある場合には必要となりますので、住民登録をされている自治体へ、申告書の提出をするようにしてください。

まとめ

複数の収入(副業など)がある場合の所得についてまとめてみました。

所得の種類によって、「所得金額」の算出方法は異なります。1年間に得た収入が、どの「所得」に該当するのかを確認し、収入金額から控除できる金額等を確認するようにしてください。

当事務所では、法人のお客様は勿論のこと、個人の所得税の確定申告、贈与税、譲渡所得税、相続税など、ご相談いただければと思います。

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