弊会計事務所は、上場会社や上場準備会社だけでなく、海外居住の富裕層の方やその資産管理会社など多岐に渡るものの、クラインアント様の多くは中小企業と中小零細企業で占めております。
このため、企業経営に不可欠な経営資源である
会計面や税務面だけでなく、経営者の方々の声を傾聴することを大切に、下支えする日々を送っております。
その中で、人材(ヒト)の部分における、いわゆる、「属人化」が企業の成長の足枷(あしかせ)になっていないか?と感じることがあります。
クライアント様への訪問時に「この仕事は〇〇さんしかできない」とか「担当者が休むと業務が停滞してしまう」といった声を耳にし、これは中小企業が抱えているけれど、中々解決の糸口のない課題の一つだなと思うことがあります。
その人は、気概や責任感ややりがいをもって、業務に当たっていることは素晴らしいことだけに、それを共有化することに抵抗する人も見られるのは真実。
一方で、属人化を解消することは単に業務を平準化することではなく、ベテラン社員が培ってきた経験を若手社員へ受け継ぎ、一人一人が仕事のやりがいを感じられる環境をつくることでもあります。
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長年働いてきたベテラン社員には、知識や経験、何といっても第六感というか、勘があります。
トラブルへの対応方法、顧客との信頼関係、過去の成功や失敗から得た知見など、ヒヤリハットではないけれど、何かしら異常な点に気が付く、その価値は計り知れません。
監査でも、「ちょっとおかしいは、すごくおかしい」ということが言われております。
若手社員にとって、状況の汲み取り方や感じ方は様々ですが、ベテラン社員はむしろ失敗を経験し、乗り超えた時の手段や対応方法を積極的に共有することが大事であると思います。
失敗した時のその後の対応方法により、人間性が感じられることもあり、また、逆に信頼を勝ち取ることもあり得ます。
しかし、その知識が個人の中だけに留まってしまうと、担当者不在で業務が止まる、後任が育たない、組織としての成長が鈍化する。などの問題が生じます。
大切なのは、コミュニケーションを良くして、オープンな形で共有化し、「できる人、気が付く人を増やすこと」が大切と思います。
若手社員の多くは「タイパ」と「コスパ」を重視する傾向にありますが、「できる人、気が付く人を増やすこと」には相応の時間と労力がかかることは自明の理であります。
そんな知識や経験を共有し、チーム全体で業務を支えられる体制を丁寧に積み上げることで組織はより強く、そしてしなやかになるでしょう。

属人化から脱却するうえで欠かせないのが、ベテラン社員と若手社員との連携です。
ベテラン社員の経験という財産と若手社員の柔軟な発想やチャレンジ、新しい視点との化学反応によりお互いの強みを活かすことで、より大きな力になります。
例えば、ベテラン社員が若手社員に対し、仕事を任せながら判断のポイントを伝える。
若手社員は積極的に質問し、自分なりの工夫や改善案を提案する。こうした関わりの中で知識が共有され、経験が受け継がれていく。ベテラン社員は「自分でやる人」から「人を育てる人」へ。若手社員は「教わる人」から「自ら考えて行動する人」へ。その連携が組織全体の成長につながり、結果として業務に対する付加価値が生まれます。
若手育成というと、大きなプロジェクトや重要な業務を任せることを想像しがちです。
しかし、本当の成長は日々の小さな仕事の積み重ねの中にあります。
資料作成、顧客対応、報告書の作成、現場での確認作業。
どれも決して派手な仕事ではありません。しかし、「より分かりやすく伝えるにはどうするか」「相手が困らないために何ができるか」と考えながら取り組むことで、仕事の質は大きく変わります。
「小さな仕事にこそ魂を込める!!」
かくゆう私も駆け出しの若かりし頃、仕事における失敗や悩みの壁にぶち当たっており、たまたま所長のお供でクライアントの社長様との酒席に同行させていただく機会がありました。何となくそのような話題となりました。その社長様より「嫌な仕事もあるだろう。しかし、君のお給料は所長から貰っていると勘違いしていないか? 所長の先にあるクライアント1件、1件の大切な顧問料の中から支払われているんだよ。そのことを心に留めておきなさい。」と諭された記憶がございます。
以来、‟小さな仕事の積み重ねであっても疎かにはしない” “どんな仕事でも見てくれている人はいる。”という気持ちで臨んでおります。その姿勢が信頼を生み、自分自身の成長につながっていくものなのかな。と当時を振り返っております。
少々脱線してしまいました。。
仕事のやりがいは、必ずしも大きな成果だけから生まれるものではありません。
そんな小さな成功体験にも大きな価値があります。一つ一つの達成感が積み重なることで、「自分でもできた」という小さな自信が育まれます。
そして、その自信が新たな挑戦への意欲を生み、さらに成長する機会が与えられます。
属人化からの脱却は、単なる業務改善ではありません。
ベテラン社員の経験を組織の財産として共有し、若手社員の成長につなげる取り組みです。その成長は日々の小さな仕事に真剣に向き合うことから始まります。ベテラン社員が経験を伝え、若手社員が挑戦する。一人一人が目の前の仕事に魂を込め、やりがいや達成感を積み重ねる。その積み重ねが自信と自己成長となり、やがて組織全体の大きな力へと変わっていくのです。強い組織とは、弱さを排除する組織ではなく、弱さを包括できる組織です。
ベンチャー企業や中小零細企業の社長様・これから起業をお考えの未来の社長様
貴社の組織づくりに寄り添いながら、より良いあり方を共に模索し、ご支援してまいります。まずは、お気軽にご相談下さい。