毎期の決算・申告対応において、「とにかく期限までに数値を締めて申告する」ことがゴールになっていませんか?
実は、実務上のチェックの質によって、納める税額、手元のキャッシュ、さらには金融機関からの格付けまでが大きく変わります。プロの視点が入っていない「とりあえずの申告」は、将来的な税務リスクや資金繰りの悪化を招く原因になりかねません。
今回は、決算確定前に税理士が必ず確認している「これだけは外せない」5つの最重要ポイントを解説します。どの決算期でも共通して使えるチェックリストとしてご活用ください。
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最も基本的でありながら、税務調査で最も厳しく、分かりやすく指摘されてしまうもののが「期ズレ(計上時期の誤り)」です。
売上の計上時期が1ヶ月ズレるだけで、利益が1,000万円単位で変動するケースも珍しくありません。不自然な期ズレは、金融機関から「利益操作」を疑われ、社会的信用を損なうリスクに直結します。
税務署の税務調査では、その時にどれだけの所得が加算され、追加納税させることができるか、ということが重要視されているため、特に注意が必要です。
参考:国税庁収益の計上の原則
「発生主義」を徹底し、決算日までに発生しているコストを漏れなく計上することが、適正な節税の第一歩です。
これらを計上し忘れると、本来払う必要のない税金を払うことになります。特にキャッシュフローを重視する企業ほど、帳簿上の利益と実態を一致させる「決算調整」が極めて重要です。
ただし、未払の賞与に対する社会保険料は、税務上は損金とすることができないため、注意が必要です。
税務調査では、請求書などの束や資料を通査して、期ズレをチェックすることもあるので、カットオフには注意してください。

役員に関する項目は、税務署が最も注視するポイントです。形式要件が非常に厳しいため、「知らなかった」では済まされません。
特に
役員給与については、定期同額要件が求められるため、未払の場合には、会計上は、毎月、未払給与として計上しておく必要があります。
「役員貸付金」は、銀行格付けを著しく下げる要因となります。決算までに精算するか、解消に向けた合理的な計画を立てるなどの対策を講じましょう。
「経費」として落とせるか「資産」として計上すべきか、実務上の判断が分かれる論点です。
ここを誤ると、税務調査での否認リスクが高まるだけでなく、将来のIPO(株式公開)やM&Aを見据える場合、管理体制の甘さを露呈することになります。
会計処理により、償却資産税の対象となるかにも影響を与えることには注意が必要です。
インボイス制度開始後、消費税のチェックはかつてないほど重要度が増しています。
消費税は「赤字であっても納税義務が生じる」税金です。わずかな区分ミスが、数十万〜数百万円単位の追徴課税に繋がる大きなインパクトを持っています。
決算は単なる「事務的な締め作業」ではありません。
これらを実現するためには、申告書を提出する前の「プロの視点によるチェック」が不可欠です。
もし今、「とりあえず申告できればいい」という状態になっているなら、一度立ち止まってこの5項目を見直してください。その一手間が、次年度以降の経営をより強固なものにするはずです。当事務所では、単なる記帳代行にとどまらず、「攻めの決算」を実現するためのアドバイスを行っております。
まずは、お気軽にご相談ください。
貴社の状況に合わせた最適な着地点を、共に探ってまいりましょう。